大柴裕介インタビュー(後編)

 

ファッション/カルチャーと密接に関わってきた大柴裕介独自のアイウェア論を聞く。今回は後編。

 

OWN(以下、O) ちなみに今回モデルをやって頂きましたOWN1stコレクションはどうでしたか?

 

大柴裕介(以下、Y) 実はビックリしたんですよね。最初のコレクションからクラシカルな路線できたから。この時代に眼鏡、サングラスでブランドをスタートさせるとしたら、フォルムで奇をてらったりする人が多いと思う。でもOWNはクラシカルでスタンダード。そこに材質とか色味で勝負してきたから凄く良いなって思いました。他ブランドは結構そこにビビってたりすると思うんですよね。スタンダードな形で勝負するよりもトバしたフォルムでアイテム展開した方が簡単に目立てるし。珍しいモン好きにアプローチするんじゃなくて、OWNの眼鏡は青の色味にこだわっていたり、アセテートのシェイプにも繊細さがある。金属パーツの使い方も凄く良い。ド定番なフォルムをローンチ1発目に持ってきたOWNには眼鏡愛を感じましたね。俺が掛けたのはサンプル段階のモノだから、最終的な仕上がりも楽しみです。

 

O 最高の褒め言葉を頂きました(笑)。

 

Y でも、スタンダードでクラシカルなデザインだからこそ、今日みたいなブランド側が作るモデルカット撮影の時は自分の中身が試されている気がする。「貴方にとって眼鏡はどういう位置付けなんだい?」って問い掛けられているような(笑)。モデルという仕事柄、他のアイウェアブランドのものもたくさん掛けてきたけど、OWNにはそういう魅力とか力があるような気がする。その辺の色男をモデルに起用せず、俺をモデルに使ってくれたからには、その問い掛けに応えられるような仕事をしないとな、っていう気持ちもありましたよ。

 

O ちなみに、大柴さんが今まで掛けたり見てきた眼鏡で、印象に残っているものってありますか?

 

Y NUMBER (N)INEが昔出した眼鏡で、老舗の泰八郎謹製とのコラボレーションがあるんだけど、あれは名作だと思います。まさに昭和の眼鏡で、フレームにアールがなくて、素材もアセテートじゃなくてセルロイド。セルロイドの特性上、人の脂でサイドフレームがどんどん馴染んでいくっていう。重くてゴツいんだけど、いまだにその眼鏡は大切に持っているなあ。

 

O 気になるので、今度見せて下さい!

 

Y OK。あとジャマイカのダンスホールレゲエのアーティストで、フランキー・ポールの眼鏡姿も格好良いですね。他にもバディ・ホリーとか60's70'sの人たちの眼鏡は、その人の人となりが出ていて良いなって。

 

O どの人たちも眼鏡姿が個性的ですよね。

 

Y そうですね、みんな鼻に跡が残っちゃうような重そうなフレーム(笑)。そういうのが好みなのは変わらないかな。でも、単純に懐古主義ってワケではなくて素材感とかスペックがアップグレードしていくことに関しては素直に凄いと思うんです。そういう面は柔軟でありたいし寛容でいたい。残り数回使ったら壊れちゃうような40年代の眼鏡で気に入ったものがあったとしても、だったら同じ形の現行品を探したい。洋服もこれからずっと好きだろうし、一生好きでい続けるためにはそういう柔軟さが大事だと思っていますね。あと、自分のライフスタイルに合った洋服や小物選びをしたい。ヴィンテージデニムも好きだけど、俺はスケートボードをするから、すぐ破れたり壊れたりするようなものは使いたいくないっていう。洋服や道具は大切だけど、刹那的側面もあるってことも理解しておかないといけないと思います。

 

O さすが説得力ありますね。

 

Y ダテに中一からアメ横のヤヨイで501買ってないですから。昔のヤヨイは買うまで出られないような雰囲気だったし、サイズが合ってないと売ってくれないとか普通にありましたし。オーバーサイズで履いちゃいけないのかよ!っていう(笑)。

 

O その店員さんは今でも現役ですが、優しくなりましたよね(笑)。

 

Y 丸くなりましたよ(笑)。まあ話を戻すと、子供の頃から洋服好きだし、自分が格好良いと思ったものが宇宙一格好良いんだっていう想いを持ち続けるためにも、やっぱり柔軟さは大切。他の人の意見や主張も分かった上で、自分はコレ!っていう。

 

O 大柴さんの場合、洋服や小物だけじゃなく、他の活動とかにもその感覚が表れている気がしますよ。

 

Y 案外そうなのかもしれない。バンドでやっている音楽とか自分が描く絵とか、そう言われるとそうですね。自分が良いと思っているものに自信を持っていたいし、そうじゃないとブレてダメな気がすると言うか。

O では、大柴さんにとってアイウェアは欠かせないものですか?

 

Y アンダーウェアみたいに365日欠かせないかと言われれば違うのかもしれない。でも自分の頭の中でトータルコーディネートを考えた時に、帽子を被って最後に眼鏡もしくはサングラスを掛けている、っていう完成図が昔からあるんです。あと、やっぱり好きなアイウェアを掛けると気持ちがビッとする。ブーツで例えるならDr.Martensみたいな感じ。Dr.Martens8ホールか10ホールの紐をガン締めで履いた時のあの気持ちに近いかも。気持ちが引き締まるんですよね。

 

O ファッションでそういうアイテムがあるとないとでは気持ち的にも全然違いますしね。

 

Y 仮に今後Yシャツは着るなと言われても、「まあ大丈夫っしょ」って思うけど、眼鏡を絶対に掛けるなと言われたら「ちょっと待って!」って言うかも(笑)。アイウェアは俺にとってそんな存在ですね。

 

インタビュー前編はコチラ

 

このインタビューは販売中のOWN 1st Collection LOOK BOOKに掲載されています。紙メディアは衰退の途にあると言われていますが、やはり紙にしかない魅力があると思います。LOOK BOOKには大柴氏とOWNによるMix CDやスペシャルな人選によるコラムの掲載もあるため、是非実物を手に取って欲しいです。

By OWN

 

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