OWN INTERVIEW CONTENTS Vol.7 ZERO MAGAZINE

※次号『ZERO MAGAZINEVol.2』に掲載予定の写真を特別に掲載させて頂きました。写真の転載は厳禁です。

 

OWN(以下、O) 『ZERO MAGAZINEVol.1』の発売おめでとうございます!最初にZERO MAGAZINEさんの自己紹をお願いします!

 

ZERO MAGAZINE(以下、Z) ZERO MAGAZINEっていう名前で色々やっていますね。「CHOICE」っていうイベントとか、金髪の悪魔こと木下君(※HIDDY氏)とフィギュアを作っていたり。で、今回から本作りを始めたところかな。あと音楽関係を中心とした洋服も作っているけど、ああいうのは誰でもできることやん。自分的に誰にもできないことをやるって言うテーマに活動している感じやね。

 

O 今回は発刊されたばかりの『ZERO MAGAZINEVol.1』に関してインタビューさせて頂ければと思います。今回の本をご自身で紹介するとしたら、どのような内容でしょうか?

  

Z 関西の81年から89年位までのハードコアパンクとスキンヘッズの写真集。0の状態から1を作った偉大な人たちだと思っています。音もファッションも独特だし、猿真似じゃない。関西独自の文化を作った人たちだと思います。今回の本に出ている年代の人たちのライブを体感した人って、実は少数だと思います。なので今回その時代の写真を本にして色んな人に見てもらいたいと思いました。

 

O 限られた人しか観ていないでしょうし、ある種、幻想的な面も多々ありますよね。

 

Z そう。で、自分は90年代に入ったばっかりの頃、S.O.Bを辞めてRISE FROM THE DEADを組む直前のNAOTOくんにクラブで出会って。自分は当時恥ずかしながらDJをやっていて、そのCLUBにナオトくんがよく遊びにきてくれて仲良くなったんで一緒にイベントやろう!って話にもなっていって。その流れで色んな人と友達になっていくねんけど。

 

O 90年代初頭にハードコアパンクのバンド関係の方々と友達になっていったということですか?

 

Z そうやね。ナオトくんの周りの人たちを紹介されて友達になって、今でもずっと友達やし。で、話の時間軸が今現在になるねんけど、コロナになったやん。自分もイベントができへんし、周りの友達もアーティストが多いからみんな活動ができへん状況になった。だから、最初は昔のライブ動画のアーカイブを配信しようと思ってん。動画もたくさんあるし。でも動画って編集とか制作にめっちゃ時間掛かるしなあ、と思ってしまった。で、色々考えた結果、今は家にいることも増えたし、珍しい写真とか素材もあるし本にするのはどうかな?っていうアイデアが出たんで。

 

O なるほど、そういう流れだったんですね!昔S.O.BRISE FROM THE DEAD2マンのときも当時のフライヤーのアーカイブ展をやっていましたもんね。

 

Z だから昔のフライヤーとか写真を誰かが持っていて、絶対に残っているっていうことは分かってたんで(笑)。元々ZERO MAGAZINEwebで色んな人たちのインタビューを無料で開放していて、当時も錚々たるメンツにインタビューさせてもらって。あの時はwebだったけど、今の自分が作りたいなと思うものが本に変わったのかな。

 

O 自分も当時ZERO MAGAZINE webを楽しみにしていました。ちなみに考えの変化はなぜなんでしょうか?

 

Z 簡単に言うと音楽を集めるのに飽きてきて。今でも沢山音楽は買ったり聴いたりすんねんけど、インターネットですぐ買えるし聴けるやん。CDを買ったとしても結局データとしてパソコンに取り込むし。でも本は電子書籍は面白いものだと物足りないんで、やっぱり本は現物を手に取って読むものやん。あと、自分は今まで色々な物を作ったけど、実は本を作ったことが一度もなくて。

 

O そう言えばそうですね!今回の本がキャリア初ですか?

 

Z そうやねん。漫画も写真集も好きだから、本を作りたい!っていう気持ちにどんどんなってきて。それにスキンヘッズとハードコアパンクが一緒になっている本って全くないんで。自分自身どっちの人たちとも仲良くさせてもらっているから。当初は自分と年の近いバンドの写真で構成しようと思っててん。CRACKER JACKSの中谷君も同い年やし、S.O.BOUTOの辺りの人たちの若かりし頃をまとめた本にしようとしてん。で、そう言うのをやりたいねんけど、って声を掛けていたら、その話が先輩方の方にも伝わっていたみたいで、会った時に「今度関西ハードコアとかスキンズの本を出すんやろ?協力するで!」って言ってもらえて。

 

O そういう理由があって最初のコンセプトより年代が広がって、80年代くくりになったんですね。

 

Z そう。最初は88年〜89年に絞ろうと思ってた。だけどS.O.Bのインタビューをした時、ギタリストの関君は元BONESのギタリストやから、「BONESの写真もあるか聞いてみるよ」っていう流れでBONES のフンニャラさんと吉田さんからも写真を送って頂いて。

 

O ご自身で今回の写真集のお気に入りポイントなどありますか?

 

Z もう全てやね。掲載されている全ての写真に意味があって、この1冊が成り立っていると言うか。ページ構成に関しても7回やり直したんで。この写真で始まって、間はこういう展開で……とか。

 

O あの写真量で7回も構成を組み直すって相当大変ですよね……

 

Z ありがたいことやねんけど、ある程度完成したタイミングでヤバい写真が追加で届いたりして(笑)。

 

O (笑)。では、制作する上で気を付けていた点などありますか?

 

Z 当たり前やけど全ての写真に許可を取ること。あとは可能な限り直接会いに行かせてもらって話すこと。今の時代、メールとかLINEで済んだりするんやけど、会った上で許可を取りたかったんで。だから相当な数の人たちに会わせてもらって。同世代の人たちは30年くらいの付き合いだからフランクなノリで許可が取れるんやけど、先輩のバンドの方々にはそういうワケにはいかないし。だからそういう怖い先輩に会うという行為が久々で気が引き締まったね(笑)。もちろん会ったら凄く優しくしてくれんねんけど。

 

O しかも少年時代に観たバンドの方々だったら尚更ですよね。

 

Z 皆さん惜しげもなく写真を提供してくれて。本当にありがたかったです。話が回っていたみたいで、こっちが写真を貸して下さい、って言う前に「必要やねんやろ?」って言ってくれたり。やらしたるわ!みたいな感じで上からくる人なんて全くいなくて。ホンマ嬉しかったです。自分も見習わないといけないなと。あと、苦労話としては、とにかく写真のスキャンが大変やった。600枚くらい。当時使っていたスキャナーが古かったから、最新のやつに買い替えたし(笑)。

 

O 当たり前ですけど、皆さんからお借りする写真は当時の紙焼き写真ですもんね。今だったらデータで簡単に送れてしまいますけど。

 

Z そうやねん。あの当時の写真の風合いを一切変えずに出したかったのと、変にオシャレなレイアウトもいらんなと思った。何たって11枚の写真に凄いパワーがあるからね。フライヤーも汚れが付いたままやし、折れ曲がっているところもある。昔のものやから、今っぽさはあえて排除しました。

 

O 仕上がってみて、ズバリどうでしか?

 

Z 感無量。もうその一言に尽きるよ。写真を貸してくれたバンドの人たちも喜んでくれたり、発売おめでとうってメッセージをくれたり。Bull The Dougsの薫君とか高津君は「エエもんできて良かった!」って言ってくれた。ホンマ嬉しいことやね。

 

O アンタッチャブルな空気感もあってか、今まであまり世に出ていなかったシーンのことですし、関西のハードコアパンクとスキンヘッズの歴史を見ることができる重要な資料になりましたね。

 

Z それを残したかった。自分は80年代にパンクに出会ったから、パンクと言えばハードコアパンクやった。90年代に入ってからブームになったメロコアとかは全く興味もないし魅力も感じへん。あれをパンクとは認めたくない。名称もポップロックとかメロディックロックでエエと思う。愛とか青春とかじゃなくて、10代の得体の知れないエネルギーとかムカ付いている気持ちを吐き出したんがパンクやと思ってるんで。

 

O 自身が多感な時期に受けた衝撃がパッケージされていると。

 

Z そうそう。人生の中で、一番最初に衝撃を受けたストリートの音楽。不良や!って思ったもん。それまでは「およげ!たいやきくん」とかピンクレディーを聴いていたガキだったから、音楽から不良性を感じることなんてなかった。その後、中1でアナーキーを聴いてドハマりして。校内暴力全開みたいな学校やったかから余計にマッチして(笑)。そこからより過激なものを求めていったらハードコアパンクに出会った感じかな。

 

O 個人的な意見ですが、当時の関西のハードコアパンクは曲調も含め、独自のものがありますよね。

 

Z そうですね。メイクとかもしているし、曲調がドロドロしてダークなものもあるから怖い雰囲気はあったよね。鋲ジャンも今じゃパンクにとって当たり前のものやけど、当時は初めて見るものだったから衝撃的やって。その後に現れたS.O.Bの短パンにTシャツ、AIR JORDANSUICIDAL TENDENCIESメッシュキャップのファッションもホンマに衝撃的やったなあ。近年のカジュアルなパンクから入った人たちは、当時のあのハードコアパンクを知らないやん。でもあれこそ一番格好良いパンクやと思うし、絶対残したかったんで。

 

O 特に関西のハードコアパンクやスキンヘッズは資料的なものが本当に少ないですよね。

 

Z 全然ないですね!自分が今53歳で、先輩方が57歳とか。言い方は悪くなるけど、もしこのまま死んでしまったら、あんなオリジナリティーの塊でめっちゃ格好良かった文化が何もなかったことになってしまうかもしれへんし。

 

O だからこそ資料としても残る本にしたかったと言うことですね。今まで見たことがない写真ばっかりで本当にビックリしましたよ。

 

Z 買ってくれた皆んなが、何回も見てしまうよー!って言ってくれているのも嬉しいことやね。でも、今回の本は自分が最初に受けた衝撃として、関西のハードコアパンクとスキンヘッズの本を作りたかったから出した。次からはまた違った内容の本を作りる予定。

 

O おぉ!Vol.1になっていたんで、実は気になっていました。続編があると。

 

Z もちろん。人生史じゃないけど、自分が好きだったものを順番でやっていけたらと思っているなあ。まだあくまで予定やけど、Vol.3くらいまではパンク、ハードコア、スキンヘッズが出てくるかな。Vol.4になったらHIPHOPとかクラブカルチャーになるんかな。

 

O 言える範囲で大丈夫ですので、続編の詳細を教えて下さい()

 

Z S.O.BOUTOが中心のインタビューとかも載せたいかな。他にはTOMさんのフライヤーも。TOMさんに関してはインタビューもやらせてもらえたらな、と考えてる。そういう流れでTOKYO No.1 SOUL SETとかGAS BOYSもやりたいし、HELLBENTとかも面白そう。友達いっぱいおるから、ノンジャンルでやっていこうと思ってます。今回みたいな写真集も間に挟むかもしれへんし。

 

O めちゃくちゃヤバそうですね……。楽しみにしています!

 

Z 年に3冊発行することを目標に動くから楽しみにしていて下さい。今後はこの本作りをライフスタイルにしていくつもりなんで。今までイベントもアパレルブランドも色々やってきたけど、一回も納得したことがなかって。いつももっとできたんじゃないか?って思ってしまう。だけど今回初めて自分自身が納得するものができた気がする。達成感を感じることができたのは初めてちゃうかな。10代の頃に受けたハードコアパンクという衝撃に対して、自分自身がしっかりと納得できるものができたと思っています。本棚に入れておきたいよね!

 

O 本の制作をしつつ、イベントも徐々に再開しますよね?

 

Z イベントはハタチからやってるから、33年やってて。ずっと続けるつもりです。昔は宣伝が大変やったけど、今はSNSで完結できるし。来年のイベント内容もほぼ決まっているんで、コッチも楽しみにしといて下さい。けど、イベントはすぐに内容をパクられてしまうんで……。今やっているイベントの『CHOICE』も、最初はtofubeats SEIHOOTOGIBANASHI'Sで開催して、大阪のコンパスってところが200人位で一杯になれば良いよね、ってノリやっててんけど、その後それぞれあれよあれよと人気出てきて、2年後にはユニバースで1000人入るようにうになって。それくらい集客できるようになってくると、他所のハコの奴らが真似してくるんですよね。そーゆーのは昔から。真似されたくはないけど、でも人の真似している人らはクリエイターではないと思います。俺はお金を一杯持っているわけじゃないけど、人には絶対にできないことをやっている自身があるし。だからイベントも規模を広げないようにして1000人前後の集客でいます。

 

O その理由を詳しく聞かせて頂けますか?

 

Z エッジなものに反応できる人ってそれくらいでしょ、って昔から思っていて。最新の格好良い音楽聴きたい人はそれくらいなんじゃないかな。その1000人らが本当に熱狂してくれている状態が一番良いと思うねん。今自分のイベントに出てもらっているメンツなら5000人規模とかもやろうと思えばできるかもしれないし。けどあえてやらない。マスのゾーンに広がると、今の熱狂してくれている1000人のファンが冷めてしまうと思ってて。それは一番よくないし、自分らもやったもん。自分が見つけた格好良いなと思ったバンドも、ダサいことやり始めたら観に行かへんくなるやん。流行っているから来ましたって人は、他所に行ってくれれば良いと思ってる。自分は最新の良い音楽を求めているお客さんに来てもらいたいし。そういう状態のイベントには、お客さんたちも格好良くてお洒落な人ばっかりになるでしょ。自分はクラブ第一世代で、当時年上も同年代もお洒落してクラブに行っていたし、そういう場所であるべきであると思っているし。言い方悪いけど、そこに変な奴らが入り込むと冷めるんです。

 

O 貴重なお話ありがとうございました!では最後にインフォメーション等がありましたらお願いします!

 

Z 来年2月末くらいに『ZERO MAGAZINEVol.2』をリリースできるように動いているんでお楽しみに。Twitterは告知用として使っていて、インスタグラムで自分の日々の生活が見れるんでチェックして下さい。この人いつ仕事してんの?って思われるかもな(笑)。

 

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