OWN(以下、O) まず、enoshiさんの簡単な自己紹介をお願いできますか?
enoshi(以下、e) ROUGH AND RUGGEDというアパレルブランドのデザイナーと代表をやっています。で、ROUGH AND RUGGEDのヘッドショップでもあるHENRY HAUZも運営しています。あとは東京インディアンズというモーターサイクルチームもやっていますね。これは仲間5人でやっているバイクチームです。あとはたまにサーフボードを作っています。サーフボードのシェイプが自分の仕事のルーツですね。
O ROUGH AND RUGGEDのスタートは何年ですか?
e ROUGH AND RUGGEDっていう名前はサーフボードのシェイプをやっている時から使っている屋号だから1999年かな。
O えっ、そうだったんですね!21年前ですか。
e そうそう。立ち上げ自体は結構前でさ。で、その後、2010年くらいから洋服のラインをスタートさせたのかな。
O アパレルの方も10年以上経っていますが、振り返るとどんな10年でしたか?
e 俺はいわゆる服飾学校みたいな洋服を作るための学校に通ったこともないし、洋服屋さんでアルバイトしたこともないし。だから本当に何も知らないところから色々調べてブランドを活動をスタートさせたんだよね。洋服を作ってもらえるところも全く知らなかったし。
O 全くゼロのところから服作りをスタートさせたんですね。
e そうなんだよ。本当に全く何も知らなくて(笑)。最初見つけた工場とか、何か高いなあ、とか思っていて。今考えると余計なお金を払わされていたこともあったし。高い勉強代になったなあ(笑)。スタートから数年はそんな感じだったかな。
O (笑)。紆余曲折ありながらも、ブランドを継続させているということは、やっぱり洋服作りが好きってことですよね?
e 着るのも好きだったからデザイナーっていう手段を取ったけど、元々がサーフボードシェイプの職人だったから、その感覚を活かしてこだわった洋服作りがしたいな、とは思っていたよ。自分の作りたい洋服を作って、それが売れたら良いな、っていうシンプルな気持ちで始めたのかな。
O 僕は以前の仕事で10年くらい前からenoshiさんに取材等させてもらっているので、enoshiのバックボーンは何となく知っています。それらが反映されている服作りをしているんだな、とROUGH AND RUGGEDの洋服を見たり着たりして感じていました。改めてenoshiさんのルーツって何になりますか?
e やっぱりサーフィンとスノーボードとかバイクになるのかな。あと音楽はずっと好き。その時々で自分の中でのトレンドや気分が洋服作りに反映されているかな。だからシーズンごとにテイストが少しづつ変わったりすることがあるブランドだと思うよ。
O ルーツが確実に反映されている洋服ではあるんだけど、無骨過ぎないところがROUGH AND RUGGEDの魅力だな、と勝手に思っていたんですが、そういう面は意識していますか?
e 自分がバイクが好きだからといってバイカーだけに向けて作っている服ではないし、ただ無骨なだけの洋服は俺には作れないよ。何となく肩の力が抜けた感じが好きだし、そこを感じてもらえたらラッキーって感じ。凄く意識しているワケではないけど、大事なポイントだとは思っているかな。見て格好良いっていうだけじゃなくて、実際に着てみて着心地が良いものっていうところも大切だよね。
O enoshiさんのライフスタイルについても教えて下さい。
e バイクは子供の頃からずっと乗っているからなのか、趣味っていう感じがしないんだよね。サーフィンとスノーボードに関して言えば、俺の場合、夏はサーフィン、冬はスノーボードっていうライフスタイル。サーフィンって本当は1年中できるんだけど、俺はスノーボードを先に始めたこともあってか、冬の雪の降っているシーズンは山にいたいんだよね。スノーボードのスタートは車の免許取ってすぐ始めたから、19歳くらい。
O enoshiさんってアクティブですよね!電話したりしたとき、「今東京にいないんだよね」みたいな期間も結構ありますし。
e アクティブなのかな?でも冬は結構東京にいないことも多いよね。ある程度歳を重ねたからか、身体が動く内は自然に身を置きたいっていう気持ちがあってさ。良いシチュエーションで山とか海に居たいっていう気持ちが年々強くなっていって。自然が相手だから、行き当たりばったりで山や海に行っても状況が良くなかったら楽しめないしさ。
O 自身のライフスタイルを反映させた洋服を作る上で、世間の流行って意識しますか?
e それはもちろんするよ。今はこのコロナ禍で街に出る機会がぐっと減ったけど、東京に住んでいればとにかく色々なことがあるでしょ。毎週末のように友達のバンドのライブがあったし、何かのレセプションや誰々の個展とか。東京の街に出れば街の人の着ている服、友達が着ている服がダイレクトに見えるから、そういうところからトレンドや流行りは意識的かつ自然に見ていたかな。今はそういう機会も凄く減ってしまったから、近年はSNSをよくチェックしたりしてる。こういうアーティストはこういう服を着ているんだ、とか。
O 流れているものを見るというよりは自分からチェックしいる感じですか?
e もちろんそれはそうだね。受動的というよりは自分からチェックするようにしているよ。仕事として洋服ブランドをやっている以上、そういうのは欠かさないかな。
O では、現在のenoshiさんの仕事のサイクルを教えてほしいです。
e 今ROUGH AND RUGGEDは年2回展示会をやっているから、それに向けて動いている感じ。直近だと10月中旬の展示会に向けて今は動いているよ。作るものを企画して、サンプルをあげて、サンプルチェックをしてOKだったら撮影して展示会という流れ。で、展示会が終わったらオーダーをまとめて工場に発注してっていう。基本的にはこんな流れかな。
O ROUGH AND RUGGEDって、毎シーズンコラボレーションやアーティストのデザインを起用していたりしますよね。
e 今ハマるだろうなって人にお願いしているんだよね。最近だとhirottonとかWACKWACKになるのかな。花井祐介くんもあるね。でも、どこか繋がっている人にしかお願いしていないんだよ。直じゃない場合は仲の良い誰かを介してとか。
O 全く面識がないけど、好きなアーティストの方に頼んだりはないんですね。
e それはちょっとできないかな。単なるコラボレーションっていうより、ジョイントワークっていう意識を常に持っていてさ。その人の人となりを知っている方が良いものができる気がする。一緒に遊んだことがあったりとか近い場所にいたりとか。感覚的なことなんだけど結構そこは大事なポイントかも。
O その感覚がROUGH AND RUGGEDの洋服の仕上がりにも反映されいてる気がしますね!では、OWNの話になってしまうのですが、OWNのスタートをどう感じましたか?enoshiさんにはコラムの執筆もお願いしました。
e コロナ禍という中々難しい時期に立ち上げが重なってしまったと思うけど、何の業種にしろ、いつの時代にしろ、やると決めたからにはそれがタイミングだろうし。だから落合君はコロナが理由でOWNの立ち上げを辞めようとはならなかったってことだと思うんだよね。
O そうかもしれないですね……。時期的には大変でしたけど、それを理由に立ち上げを断念するという考えにはならなかったですね。
e でしょ。だからそれがOWNのタイミングなんだろうし、そういう動きをスタートさせたからには応援したいなって思ったかな。あと、俺たちの周りはライフスタイル的にもサングラスや眼鏡をよくするタイプの人間が多いと思うのね。でも世の中、特に日本人はサングラスをしない人ってかなり多いよね。だから難しいところでオリジナルブランドをやるって決めたのは凄いと思うよ。
O ありがとうございます。今ってenoshiさんはOWNの#02と#04を使っていますよね。実際に着用してみてどうでしょう?
e 普段ヘビロテで使ってるよ。#02の方はフレームがブルーなんだけど、日光に透かすと色が分かるような絶妙なカラーのブルーだから、夏場は特に愛用してたかな。あと、コラムにも書いたけどOWNは日本人が日本人のために作っているアイウェアだから、フィット感が抜群に良い。鼻からズレてこないっていうのは、眼鏡をする上で自分が一番重要視していることで、常に掛けていてもズレない、疲れないアイウェアが一番だよね。テンプルとか耳の部分が痛くならないとか。OWNはその辺もバッチリなんだよ。俺的には結構常に眼鏡を掛けていたい人だから、そういう部分が満たされていない眼鏡は良くない眼鏡だと思う。だからOWNは本当みんなにオススメできるアイウェアだよ。
O 最高の褒め言葉(笑)!ありがとうございます!では、今後のenoshiさんの動きやROUGH AND RUGGEDとして今後の展望がありましたら。
e 変らずやっていければなと。でも、その中で自分がやっていることのクオリティを上げていきたい。今までのROUGH AND RUGGEDのお客さんが納得するプライス感のまま、より良い洋服を作れればな、っていうのは毎シーズン考えているかな。自分の中で最高級のクオリティのものを更新し続けていきたいっていうのは常に考えているね。
【着用アイテム】
#04 DARK TORTOISE/BROWN価格 ¥20,900 (税込)
【INFO】
ROUGH AND RUGGED