OWN INTERVIEW CONTENTS Vol.13 CE$(DJ / 音楽ディレクター / she luv it)

OWN INTERVIEW CONTENTS Vol.13 CE$(DJ / 音楽ディレクター / she luv it)

OWN(以下、O) 最初に杉生さんの自己紹介をお願いします!


CE$(以下、C) CE$という名前でDJをしたりバンドをしたりしています。

O バンドはshe luv itですね。

C はい。she luv itは結成10年くらいなんですけど、オリジナルメンバーは僕とボーカルのショーヘイ君で、後から参加してくれたメンバーも昔から遊んでいるメンツですね。昨日もスタジオだったんですけど、遊んでいる時間も多くて(笑)。子供の頃はハードコアパンクの不良性とかに憧れたりもしましたけど、今は生活を楽しくする為にバンドをやっているという部分も大きいですね。

O アーティストのマネージメント業もされていますよね?

C tofubeatsのディレクターとマネージメントをやっています。彼が7年前にHIHATTという会社を設立して、自分は業務委託というカタチで携わっていますね。

O 杉生さんはフリーランスという立場でtofubeatsさんのディレクターとマネージメントということですね。

C そうです。彼も会社を作るつもりはなかったんですが、前の事務所を辞めた時に、ワーナーとの契約は続けたかったんです。ワーナーは法人でないと契約できないというルールがあったので、作った感じですね。立場上自分がtofubeatsのマネージャーとなっていますが、マネージメントは実質2人でやっていますね。それがメインの仕事で、コロナ禍になる少し前くらいから他のアーティストの手伝いも少しずつやっています。

O 他アーティストのお手伝いは仕事として受けているんですか?

C ケースバイケースなんですが、若いアーティストの相談事などはもちろん普通に友人との会話として話しています。予算の出る案件は、アーティストからでは無く、レコード会社やレーベルから自分の取り分も貰えたら、というスタンスでやっていますね。まだ少ないですが(笑)。あとは、アーティストがレコード会社の人とやりとりする時は間に入ったり。エージェント的な動きですかね。

O エージェントって実は大事な役割ですよね。

C 日本ではあんまり浸透してない気がするんですが、大事だと思います。
いざ話し合いになるとごちゃごちゃする時もあるので。だから年齢的にも自分が間に入ってあげられたら、と。

O そういったエージェントの動きをしようと思ったキッカケは?

C コロナで仕事がほとんど飛んで、時間に余裕が出てきたのもあるんですが、そのタイミングで若い子たちとのリンクが増えたのが大きいですね。ハタチそこそこの人たちと話していて「レーベルとやったんですけど上手くいきませんでした」みたいな話もよく聞いたので、だったら手伝いましょうか、と。友達の延長線の感じですね。僕の基本的スタンスとしては「できるなら全部自分でやった方が良いよ」と言っています。苦労は多いけど取り分は全部自分だし。でも最近は生き急いでいる子も多い気がします。「すぐバズりたいっす」みたいな(笑)。

O 今っぽい考えですね。そんな時はどんなアドバイスをするんですか?

C ただ有名になりたいんだったら、炎上商法みたいなことで良いし、お金持ちになりたいだけなら他にもいっぱい方法はあるんじゃないですか、と言いますね。僕は音楽に纏わる事でしか手伝えないですから。良い音楽を作る手助けはできるかもしれないけど、それがすぐにお金になるかは分からない。だから普段の仕事も続けた方が良いよ、と伝えていますよ。学生の頃のtofuにもそう言ってきましたし。

O tofubeatsさんの頃からスタンスは変わらずなんですね。

C  tofuが大学卒業する時には2人とも自然と就職した方が良いよねという感じでした。実際内定は貰えたんですが体調を崩して内定が無しになったので、自主で『Lost Decade』っていうアルバムを作ってから考えよう、という話になったんです。tofuと出会ったのは彼が17歳で、自分がSONYに勤めていた頃からなので15年位の付き合いになりますね。他の色んな仕事で出会う若い人のリアルな話は刺激にもなるし面白いです。ただホント焦っている人が多いなと。


O 杉生さん的にそれはなぜだと思いますか?

C 昨日まで一緒にクラブで遊んでいた友達がいきなりSNSでバズって100万回再生とか、そんな話が実際にありますからね。数値化、可視化されちゃうと、やっぱり焦っちゃうんでしょうね。今はSNSで、買った時計とか車をフレックスする文化も当然の様にあるし、そういうのを若い子が目の当たりにしたら焦ってしまう気持ちも分かる気はします。

O 何がヒットするか分からない時代ですしね。でもそれが良い音楽とは限らないと言うか。

C 結果的に売れた、と言うことならそれはもちろん良いことなんですけど、それよりも長く続けてほしいな、と思っています。1発バーンと当てて、5年後忘れられた存在になるより、長く良いものを出し続けられるようなお手伝いができれば良いなと思っていますね。基本的に僕が好きなものってユースカルチャーだから、若い人たちで盛り上がってくれるのは嬉しいし、そこに横槍入れるつもりもない。流行っているから、バズっているからダサいとかも思いませんし。

O 杉生さんのような柔軟な考えは凄く大事ですよね。

C レコード屋のCISCOで働いていた頃に、オールジャンルの音楽を好きになれたんですよ。それぞれのジャンルに特化した先輩がいて、店が終わって22時くらいからみんなでレコードをかけて色んな音楽を教えてもらいましたね。色んなイベントにも連れて行ってもらったし、そこで雑食性も養えたと言うか。アメ村にCISCOがあって、レコード屋もクラブも多くて。良い時期に遊べたし色々と吸収できたと思います。自分も若かったから、周りの大人たちに凄く可愛がってもらえましたし。だから自分も若い人達には出来る限り丁寧に接していけたらと思っています。

O  CISCOには倒産のタイミングまでいたんですか?

C そうです。バイトだったんで、退職金なども出ず。なので日雇い仕事をしながら、音楽関係の仕事を探していましたね。そもそも東京で働く気がなかったので、大阪勤務で何かないかなあ、と。そこでたまたま見つけたのが、SONYの新人発掘部署だったんですよ。それが25歳の時ですね。SONYは所謂ロックとかアイドル系に強い会社なんですけど、クラブ系の音楽に精通している人材を探していたようで、タイミング良く受かりました。SONY に入社してからの25から30歳の間は、人生で一番忙しく働いていましたね。365日中362日は仕事している状況(笑)。でもそんなに嫌じゃなかったですね。月に2、3回は会議やらアーティスト関係の仕事などで東京に行っていたんですが、そのタイミングでTRASMUNDOや今でも遊んでもらっている東京の先輩方とよく会うようになったんです。今里さん(struggle for pride)には「本当は下高井戸辺りに住んでるんでしょ?」って冗談で言われたり(笑)。会社の出張ではあるんですけど、自分はお酒が飲めないので、仕事の打ち上げには顔を出さず、マーシーくん(WDsounds)やサミットの増田さんとご飯食べに行ったりしていましたね。他にも気になるイベントなど、SONYの仕事で色々なところに行けたのは凄く良い経験になりました。結果的に円満退社もできましたし(笑)。

O では、ここからファッションのお話もできればと思うのですが、杉生さんのファッション遍歴など教えて頂けたらと。

C 洋服は好きですね。最初に興味を持ったキッカケは、中学1年の時に前の席の奴がちょっとヤンキーの奴で。そいつの兄ちゃんがパンクとかを聴いていて、ネルシャツとか、501とかを教えてもらった感じです。で、地元に古着屋がなかったので、大阪まで買いに行っていましたね。あの頃は501とかもまだ安くて3000円とかで買えたし、良いネルシャツとかもたくさんありました。とにかく古着が好きでした。高校の頃は「Smart」全盛期で、周りではモードが流行っていて、凄く田舎なのにコウモリみたいな鞄を背負ったヤツとかもいました(笑)。その頃にはパンクとかハードコアが好きになっていたので、自分は太いGパンを安くで探したりAIRWALKのスニーカが欲しいな、と思ったり。雑誌は「DOLL」と「EAT MAGAZINE」を買っていて、ファッション雑誌は「Boon」と「Warp magazine」でした。Crown of Thornzのイーザックとか格好いいな、とか思ったんですが、あんな格好似合わないな、と思い直したり。

O 日本であんなNYHCな格好していたら浮きますしね(笑)。

C そうですね(笑)。18歳で大阪に出てきてからは、HIPHOPのクラブで遊ぶことも増えたので、PROCLUBの無地Tにデニム、みたいな感じでした。白いAIR FORCE 1が欲しかったんですが、お金も無かったのでAIR FORCE 1に似ているんだけどAIR FORCE 1じゃないNIKEを履いていましたね(笑)。

O 当時からパンクやハードコアよりHIPHOP寄りのファッションが好きだったんですね。

C そうですね。バンドの人達のファッションは、悪そうでかっこいいな、とは感じていたんですが、自分的にフィットする服装はHIPHOP寄りでしたね。MTVとかでもファッションチェックしていました。やっぱり白のAIR FORCE 1買わなアカンのかな、とか(笑)。

O (笑)。

C 大学卒業してからは所謂レコ屋のバイトになったワケで、さらにお金がないんですよ。給料の半分以上レコードを買う、みたいな生活で。だからその時期は毎日同じ格好していましたね。その後SONYに入社して、若いアーティストと接すると、その親御さんとも会ったりするので、少し小綺麗な洋服も選ぶようになっていきましたね。

O なるほど。では、最近はどんなファッションや洋服がお好きですか?

C また古着にも興味がありますね。色々自分の中で一周した感じもあり、古着屋さんにも良く行くし、オークションサイトとかもチェックしています。あと何となくですけどUKっぽい洋服も好きですね。UKの音楽が好きだし、全身黒のNIKEテックに黒のAIRMAX、みたいな感じも好きですし、Stone Islandもその辺りのカルチャーにも近い洋服なので憧れますね。自分にはあまり似合わないのでたまにしか買いませんが(笑)。ここ数年は洋服関係の友達も出来てきて。そうなると、知人や友達が作ったものを買って身に付けたいという気持ちが強くなってきました。C.Eも好きで、カルチャーや音楽に精通している人たちがやっているブランドですし、2013年に僕を初めてグライムのDJとして大きめのイベントに呼んでくれたのってC.Eなんですよ。スケシンさん(SK8THING)と石黒さんが声を掛けてくれて。その時に今はNISHIMOTO IS THE MOUTHをやっている西本さんにも初めてお会いしました。そういう繋がりも大切にしつつ、買い物するにしても、友達のお店でできるだけ買おう、とか。レコードもそうですね。大手で3500円、友達のやっているお店で4000円だとしたら、ちょっとだけ頑張って4000円払おう、みたいな。

O 顔の分かる人にしっかりお金を落としたいと言うか。

C まさにそうです。自分が好きな人や興味のある人、共存し合えてサポートし合える人にお金を落としたいですね。あと、人に「それ何のブランド?」って質問された時に説明できるって素敵なことですよね。その方が着ていて気分が良いし。だからOWNという眼鏡ブランドがあるというのは、自分にとって凄く嬉しいですね。

O そう言ってもらえると嬉しいですね!

C 眼鏡って顔の一部だと思っているし、僕の場合眼鏡掛けてなかったら友達にも気付かれないだろうし(笑)。

O 今は何本くらい眼鏡を持っていますか?

C 眼鏡は消耗品だとも思っているので、結構ダメにしてしまったものもあって、サングラス入れて8本くらい。ずっと同じものを掛けていると飽きちゃうっていうのもあるんで。

O 眼鏡って毎日使うものですよね。選ぶポイントってありますか?

C 使用頻度がとても高いものなので、まずは掛け心地ですね。その次がデザイン。自分はOWNの#08#04を使っているんですが、鼻当てタイプのものが好きなんです。微調整もできるし。#08#04のようなブロウタイプは大人に見えるじゃないですか。知的な印象もありますし。

O 自分の好みのフレームを手に入れて、眼鏡を作るって凄く大人な行為な気がして良いですよね。

C ですね。自分の生活において、iPhone以上に必要なもの。僕は出張行くとき必ず眼鏡を2本持っていきます。壊れたりしたら、大阪に帰れないくらい目が悪いんで(笑)。とにかくOWNの#08#04はお世辞抜きで凄く掛けやすくて気に入っています。新作の#08の方は調光レンズ(紫外線量によってカラー濃度が変化するレンズ)にして愛用していますよ。


O ありがとうございます!では、インフォメーションなどありましたらお願いします。

C tofubeatsの4年振りのアルバム『REFLECTION』が5月18日に発売されますので、是非チェックして欲しいです。同時に彼の日記的書籍も発売になります。パソコン音楽クラブというユニットにも携わらせてもらっていて、彼らにも新しい動きがあると思います。あとは先日RC SLUMからソロアルバムを出したhyunis1000と、相方Ratiff のユニットNeibissのリリースもお手伝いする予定です。他にも色々予定はありますが、どの作品も、アンダーグラウンドだけではなく、一般の音楽好きの人達の元までしっかりと届くように動けたら良いなと思っています。

O  hyunis1000のソロアルバムも凄く良かったですし、それはかなり楽しみな動きですね。

C Neibissは凄くフレッシュだし、才能もあると思うので面白い作品を作りたいですね。だからこそ僕は音楽に纏わる仕事を出来るだけ長く楽しく続けて、雑に消費されない強度のある作品の手伝いが出来れば、それがある種の成功なのかな、と思っています。

 

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tofubeats、通算5枚目のフルアルバム『REFLECTION』5/18発売。

tofubeats初の著書となる『トーフビーツの難聴日記』もアルバムと同時発売!

 

CE$ DJ参加イベント

SUMMER BASH FEST 2022

5/21

OPEN 13:00 / START 13:30

前売¥3,500 / 当日¥4,500 (入場時にドリンク代¥600必要)

出演:SAND / NUMB / second to none / DEAD REFORCE / FIGHT IT OUT / payback boys / FACECARZ / NO DAYS OFF / SUPER STRUCTURE / nervous light of sunday / universe last a ward / CRUNK / zetton / DIKTATOR / Temple / DEMISE / wrong state / DJ  SHIGA CHANG / DJ YOYO-T / DJ CE$

 

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