OWN INTERVIEW CONTENTS Vol.24 GRINGOOSE(ETERNAL STRIFE / PRILLMAL1/2)

OWN INTERVIEW CONTENTS Vol.24 GRINGOOSE(ETERNAL STRIFE / PRILLMAL1/2)

OWN(以下、O) まず、GRINGOOSEさんの自己紹介というか、プロフィールをお願い致します!

GRINGOOSE(以下、G) GRINGOOSEという名義でDJをしています。DJ HOLIDAYとのユニットETERNAL STRIFE。あと、PRILLMALというブランドの手伝い担当です。

O では、GRINGOOSEさんがDJを始めたキッカケを教えて下さい。

G 昔から音楽が好きでレコードを買っていて、当時勤めていた所の企画でMIX TAPE作って販売した事がキッカケかな。後は、友達数人が毎月開催のパーティを企画して誘ってくれた時のDJがレギュラー的なのは最初かもしれないです。代官山でちょっとラウンジBARみたいな場所だったなあ。7、8回でそのパーティは強制終了になって(笑)。それ以降は人前でDJはやっていなかったですね。そもそも自分をDJだと思っていなかったし(笑)。

O その間も音楽はお好きでしたか?

G はい、そうですね。色々聴いて買っていましたよ。ベタに自分がウォークマンで聴く用に好きな曲まとめた宅録カセットテープをひたすら作ったり。

O 当時はどんな音楽を好きで聴いていましたか?

G HIP HOPが大好きでしたね。初めてアルバム単位でHIP HOP聴いたのは中1、2の頃、近所のレンタルレコード屋さんで借りたBeastie Boys『Licensed to Ill』とRun-D.M.C.『Raising Hell』でした。初めて購入したHIP HOPは、ALTAにあったCISCOでPUBLIC ENEMYの『It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back』とICE-Tの『THE ICEBERG』をジャケ買いで。偶然、西(海岸)と東(海岸)のHIP HOPだったんだけど、当時は何も知らない15歳の少年だから同じHIP HOPというジャンルなのに曲調とかこんなに違うんだとか、PEとICE-Tを聴き比べて(笑)。同時期に友達の部屋でN.W.Aの「Express Yourself」を聴いて、それも衝撃的だった思い出。その辺りからレコード屋行くのが始まり、以降はリアルタイムでCYPRESS HILLとかトライブ(A Tribe Called Quest)、とか沢山買いまくってました。

O 90年代前半ですかね。名盤だらけですもんね。

G そうそう。HIP HOPは特に次々とアーティストが沢山現れてたと思います。90年頃からは出てるやつ少し買い始めて、で、92年頃から新しくリリースされたのを買いまくって、買ったヤツ全部良いみたいな状態。HIP HOP以外だとRage Against the MachineとかNIRVANA、Body Countがリアルタイムかな、Judgment Nightのサントラとか、様々なジャンルの音楽も混ざり始めたり色々と流行っている時期でした。Dance hall raggaeもSuper catだったり、アメリカに住んでる先輩が夏休みに帰国した際に色々仕入れてきてPhish教えてくれたり。

O どのジャンルも新しい流れが生み出されていた時代ですかね。

G そうかもしれないですね。あと、当時って友達の部屋に遊びに行くと、レコードやCDを聴きいてダラダラ話しをしてるという機会が自分の周りは多かったです。買ったレコードの聴き合いっこみたいな。その中でそれぞれに好みがあって、こいつはR&Bが好きで、こいつはREGGAEとHIP HOPが好き、Hard coreも、とか。しかもそれぞれが己の部屋で流す曲だからアツくレコメンドしてくるじゃないですか(笑)。

O 好きなジャンルはHIP HOPだけど、色々なジャンルを聴いていたと。

G そんな感じでした。働いていた服屋のBGMでBob dylanが流れていたり、そんな環境だったから色々自然と耳していると言うか。

O 個人的にGRINGOOSEさんのDJ、選曲は60年代-70年代のブラックミュージックというイメージを持っています。

G はい、その年代のブラックミュージックは大好きですね。

O 「AVE | CORNER PRINTING」のインタビューで、DJ HOLIDAY氏が「GRINGOOSEはDJするとよく、終わった後ラッパーに囲まれて質問攻めに遭っている」とありましたね。古い年代のブラックミュージックはどのように好きになっていったのですか?

G その辺りに興味を持ち始めた最初の頃は、至って普通にHIP HOPのレコードを買って部屋で聴きながら裏ジャケのクレジットを見て、色々な細かい情報を得たいから凝視していると、サンプリングネタが記載されているモノも有るので、アーティスト、曲名を覚えて、バイト先が上野だったので、バイト帰りにCISCO行って分からない事をアキトとタケシ君に聞いて教えてもらったりして、『Ultimate beats & breaks』とか、再発物等を買って聴くとサンプリングに対する驚きも含めて、その曲を最後まで通して聴いてめっちゃ良い曲だな、純粋に良い曲を知れて嬉しいなと。そんな感じで次々に知らないことを知れて好きになっていきました。

O そこから所謂ネタのレコードを掘り出して?

G いや、その当時はHIP HOP吸収期だったので、HIP HOPの新譜レコードを買っている方が全然多かったですね。GANG STARRを聴いて元ネタJAZZぽいな、大人!とか思ったり(笑)。HIP HOPの新譜レコード買うのと並行して、R&B等新旧色々なジャンルの知らないレコードを適当にと、サンプリングネタもその元曲自体好きな曲で、行ったレコード屋で安い値段のオリジナルに出会ったら買ってました。映画のサントラとか買うと偶然サンプリングネタの曲が入っていたり、様々なジャンルを知れるし。レコード屋行くのは好きですね。

O なるほど。では、DJを離れていて、そこからまたDJをスタートさせたのはどんな経緯からですか?

G 昔カセットテープで作った宅録MIXテープをイザヤ君がPCでデータ化してくれたので、それをCDにしてPRILLMALの手拭いとセットにして売っていたんですね。それがキッカケ。

O 『UNDERCOVER RASTA』シリーズですか?

G それも含む4タイトルの違う内容のMIXがあって、数タイトルのMIXCDがDJ HOLIDAYの手に渡り、「めちゃくちゃ良いですね」と言ってくれて。

O もう既にDJ HOLIDAY氏とは知り合っていましたか?

G その頃は既に仲良くさせてもらっていました。そこから「DJとかまたやらないんですか?」と話しが色々盛り上がって、その後にDJ HOLIDAY企画のパーティに誘って頂いて「好きな曲をかけてもらえれば良いので」って言ってくれたのもあって、久しぶりだったけどノビノビDJできた感じでした。

O GRINGOOSEさん的に、ビートメイカーではなく、DJを選んだ理由ってありますか?

G 機材操作、接続、機能、などのメカ事全般が苦手だから、自分にはビートメイカーは向いてないと思ってます。

O GRINGOOSEさんにとって音楽はどういった存在だったんですかね?

G 時間を楽しく過ごせるようになるモノというか。曲を聴くと蘇るいくつかの思い出とか身近な存在ですね。服屋で働いていたのもあって、BGMが流れている空間が好きなんですよ。まあ当時は買ったMIXテープとか音源をすぐ聴きたいから店内で勝手に好きなヤツ流していただけなんですが(笑)。それで店の雰囲気に合わないって上の人に怒られたり。

O (笑)。今もたくさんレコードがありますが、CDでは音楽は聴きませんか?

G 全然聴きますよ。CDでしか存在しない曲とか、MIXなどはCDが多いので、友達が作った音源がCDであればCDで聴いていますよ。でも自分が買うのはレコードが良いですね。ただ、レコードの方が扱い慣れているというだけの理由です。

O ではDJ HOLIDAY氏とのユニット、ETERNAL STRIFEに繋がっていった経緯を教えて下さい。

G 既にDJ HOLIDAYとはお互いbedとかWD SOUNDSやseminisukeiの企画など同じ場所でDJをしていたと思うんですけど、ETERNAL STRIFEのきっかけ的になんとなく自分が覚えているのは、銀座にあるBARで友達のお帰りなさい会の開催時に、僕が1人で長時間BGM係をiPod2台ミキサーに繋いでやっていて、そこに遊びに来てくれたDJ HOLIDAYもiPodを持っていたのでお互いのiPodで好きな曲を少しの時間b2bぽい事したのが原型になったのかな?と。名前的なモノはDOWN NORTH CAMMPのイベントREFUGEE MARKETが笹塚ボウルで開催された時に2人でDJをしている最中に話をしていてDJ HOLIDAY提案でETERNAL STRIFEになりました。

O ETERNAL STRIFEとして、4枚目となる作品『HOOD CALLS』が先日リリースされましたね。

G はい。ありがとうございます。ETERNAL STRIFEとしては現場でやっていくだろうと思ってはいたけど、こんなに作品としてパッケージされたものをリリースするとは当初思っていなかったかも。

O 前作がATOSEONE氏のレーベルからリリースされた3部作の完結編でしたよね。

G そうですね。3部作にはその時にあった出来事や、自分たちの状況を反映させて作った感じですね。今回はコロナ禍でDJ HOLIDAYと合流する機会が減ったこともあったし、久しぶりに会った時に一緒に聞きたいレコードを持っていって、レコードを聴きながら近況報告をしつつという流れでなんとなく始まりましたね。

O 今作『HOOD CALLS』はどんな仕上がりになりましたか?

G 最高の仕上がりですよ。盤面がbadassでレーベルはWDですし、自分も当然関わっている作品ではあるんだけど、今回はトータルプロデュース的なことをDJ HOLIDAYにお任せでお願いしたということもあるし。

O それはどうしてですか?

G 個人的に、生活環境が変わりコロナ禍もあって、自分の時間を作れなくて全くDJをやっていなかったんです。GRINGOOSE個人名義の作品も出していなかったから諸々感覚が鈍っていると思って。あと、DJ HOLIDAYはコンスタントにMIX作品を出し続けているじゃないですか。そういう人にしか出せない"現役感"というのかな?そういった選曲や曲順に関する研ぎ澄まされた感覚に任せてみた方が絶対に良くなるんじゃないかな、と思って。個人名義作品の選曲も大好きなので。

O GRINGOOSEさんがセレクトした楽曲をDJ HOLIDAY氏にパスして、という制作だったそうですね。

G はい。15曲くらいセレクトしたのかな?その半分くらいが今作に収録している感じですね。選曲もそうですけど、曲順もDJ HOLIDAYプロデュースで、ホント素晴らしい作品になったと思いますね。GRINGOOSEでもなく、DJ HOLIDAYでもなく、ちゃんと理想的なETERNAL STRIFEのトーンになっているというか。

O ETERNAL STRIFEのDJスタイルは結構特殊ですよね?

G 当初から自分たち的にはお互いに好きな曲、良いと思う曲をシェアしたい、みたいな感覚だと思いますよ。DJ中にはよく2人でアーティストや曲に纏わる逸話とかも話したりしてる、それを知ることによってその曲の聴こえ方が変わったりするのが面白いです。”会話してる後ろで良い音楽が流れてる”、いつもそんな雰囲気でやっていますよ。

O では、個人名義のMIX作品のときと、ETERNAL STRIFEでは選曲も変わりますか?

G 作品に関しては変わると思います。何となくなんですけど、チャンネルが違うというか。これはETERNAL STRIFE用だな、と思ってストックしたり。お互いに個人名義のときとは違う選曲感でやっていると思います。

O なるほど。では、今作はどんなシチュエーションで聴いてもらいたいですか?

G 『HOOD CALLS』は万能だと思うので、友達、好きな人、家族、誰かと一緒の時に流してもらえたらと思います。

O ここからブランドPRILLMALのお話も伺えたらと思います。

G LAZY UNCLE GRINという人物と一緒にやっているブランド……いや、やらされている感じですかね。

O (笑)。ブランドコンセプトなどはありますか。

G 普段着として選んで頂いて、にやけて毎日着れる事じゃないですかね。

O グラフィックデザインに関してはどうですか?

G 海外のスーベニアショップやモンキーショップとかで売っている、変なお土産Tシャツとかあるじゃないですか、あんなノリで作っているんですが、そういったモノはもちろんダサかったり、イナタかったりなので、にやけてもらえる洒落た雰囲気の普段着としてのデザインを心がけている。と、LAZY UNCLE GRINが言っていました。あと、やはり自分はHIP HOPと映画からの影響がとても強いので、お互いの好きなモノのサンプリングを色々と落とし込んでいますね。その好きな物がマイナー過ぎて気が付く人がいない様なモノも多々あります(笑)。

O ネタまで辿り着けいない(笑)。また、PRILLMALといえば、やはり手ぬぐいが定番アイテムですよね。

G 手ぬぐいは16年間毎シーズンリリースしています。父親の生業が鳶頭だったこともあって、手ぬぐいが幼い頃から身近な存在で。それと自分は幼少期から剣道を習っていたんですが、やはり剣道でも必需品だったんです。少しファッションの事を知り始めた少年期に、バンダナを使ってみたんですが、小さいし使いにくいなと思ったので、自分は手ぬぐいを作りました。今では色んな人達に使ってもらえている事はとてもありがたいですし、嬉しいです。

O 柄もめちゃくちゃオリジナルですしね。

G 柄はオリジナル麻柄ですね。麻柄はどうしても基本直線パターンなので同じ感じになってしまいがちですが、現代版にしたかったので、それを曲線でアップデートして花麻柄オリジナルにできたと思います。真ん中の江戸文字スタイルの英字は浅草橋HOODのOGに描いてもらって、それを手ぬぐいの中に落とし込んだデザインになっています。手ぬぐいに関して言うと、毎シーズン新色を出し続けています。例えば同じ青の色味に関しても、微妙に違う。定番で黒などはずっとリリースしていますが、他の色は毎年細かく色のトーン変えています。

O 実際に見比べてみると、細かく違いますね!ちなみにカラーのチョイスはどのように行なっているんですか?

G マイブームの色とか、スニーカーのカラーからインスピレーションを受けて色を決めたりしていますね。あとは、友達の顔を思い浮かべたり。アイツはこの色が似合いそうだなあ、とか。

O ではGRINGOOSEさんは最近どんなファッションがお好きですか?

G 前からそんなに変わらないかな、パンツはLevi's、シャツで言ったらBEN SHERMAN、3PACKWHITEEとか。靴は最近ClarksのDNCワラビーを愛用しています。SORAありがとう!あとはカジュアルズファッションが好きかな。何を着るのもやっぱりサイズ感が大事なんじゃないかな、と思いますね。あと、自分は視力が悪いんですが、コンタクトがとても苦手なので眼鏡は必需品です。

O OWNでは#04をセレクトしてくれましたね。

G ブロウタイプが気に入りました。若干小ぶりなサイズ感も良いですよね。ブラックではなくブラウンを選んでみました。あと最近ノーズパット付きの眼鏡を使っていなかったので、掛け心地も良くて新鮮でした。

O ありがとうございます。では、今後のGRINGOOSEさんの個人としての動きはありますか?

G 来年、個人名義のMIX CDをリリース予定です。某レーベルから初めてのリリースになります。内容も今までと違った感じになると思います。


O めちゃくちゃ楽しみです!では、最後にインフォメーション等ありましたらお願いします。

G 今回ETERNAL STRIFEでリリースした『HOOD CALLS』ですが、収録内容を一部変更してカセットテープでもリリースする予定です。ETERNAL STRIFEのマーチャンダイズもATOSONEと一緒に作る予定となっているので、ご期待下さい。

【INFO】
instagram @prillmmal_official

photo by NEET kun(thanks!!)

ブログに戻る