OWN INTERVIEW CONTENTS Vol.10(前編)rkemishi & MU-TON

OWN INTERVIEW CONTENTS Vol.10(前編)rkemishi & MU-TON

OWN(以下、O) まず、2人の自己紹介からお願いします!

 

rkemishi(以下、r) 東京でラップやっていますrkemishiです。ビートメーカーのGREEN ASSASSIN DOLLARowlsっていうユニットをやっていたり、MU-TONとも一緒に活動しています。あとOYLE GATEっていうレーベルも運営していますね。

 

MU-TON(以下、M) 自分は福島県白河市出身で、東京に住んで2年になります。福島ではUNDER THE MUG'Sっていうクルーにいて、東京ではMVP Recordsに所属しています。

 

O これまでのキャリアをそれぞれ教えてもらえたら。

 

M rkemishiさんはキャリア長いですもんね。俺も知りたいですね。

 

r ラップをやり始めたのは14歳とかで、かれこれ14年くらいやっていますね。最初はFAT SLIDEっていうユニットをやっていて、その頃の相方は今LSBOYZPEEDOGでした。それが10年前くらい。そこからリリースも色々しまくっているから自分でも分からないですね(笑)。その後、3年くらい前からowlsをスタートさせた流れです。owlsで自分のことを知ってくれた人が増えた気はしますけど、やっていることはずっと変わらないな、って感じですかね。

 

M owlsでは何作出しいてるんですか?

 

r 4枚かな?色々リリースが多くて正直分からなくなる(笑)。

 

M 自分は20167年くらいにMCバトルで初めてシーンに出た感じです。で、2018年の22歳のときに1stアルバム『RIPCREAM』を出しました。でも、その次の音源が2021年にrkemishiさんと一緒に作った『葉月』になるので、音源のリリースとしては間が空いてしまった感じですかね。

 

O MU-TON君とrkemishi君の出会いは?

 

r 友人のItaru Sawadaっていう監督が紹介してくれたんですけど、その前から俺はMU-TONの存在は知っていましたよ。MCバトルはもちろんだけど、新宿界隈で鬼さんとかと一緒に動いているらしい、みたいな噂も入ってきていて。そこからは家が近いっていうこともあったりして自然と仲良くなりました。あと音楽の好みが似ているかも。俺がダサいな、と思ったものをこいつもダサいと感じていたり。

 

O MCバトルでもMU-TON君の存在を知ってたと言っていたけど、MU-TON君に対してどんな印象を持っていたの?

 

r 俺は基本的に、MCバトルに出ている人を見ても何とも思わないんですよ。でもこいつに関しては何か光るモノを感じたと言うか。格好良いことやってんなあ、と思ったんですよね。それがどう格好良かったのかと聞かれたら、言葉にするのは難しいんです。でも直感的にそう感じた。あと、俺は最近バトルに出てる人たちをあんまり知らないから何とも言えないんですけど、MU-TONと会ってみて、バトルのみのMCとは違う感じ、自分とかと近い温度を感じましたね。面白い奴だと思いますよ。あと、MU-TONMCバトルに出てる人の中で圧倒的にB-BOYファッションでイケてんな、とは思いましたね。

 

O MU-TON君は会う前からrkemishi君の存在は知っていた?

 

M はい、知っていました。自分もちろんですけど、地元の奴らもowlsを聴いていました。実際に会ってみて思ったのは、rkemishiさんはプレーヤーとしてだけでなく、owlsのパッケージとかデザインとか、音源だけでなくトータルで見た時のヒップホップカルチャーを体現している人だと感じました。B-BOYとして一緒にいたくなると言うか。東京に来てから一番お世話になっていると言っても過言じゃないです(笑)。

 

r ラップに関しては、MU-TONは明らかに華があるなって思ったすね。歌心だったり、リズム感が普通じゃない。俺には絶対できないリズムの取り方をしたりするし、突拍子もないフロウをはめてきたりとか。俺は説明書を読んでからやるタイプ。こいつは明らかに説明書を読まずに始めるタイプ(笑)。でもそういうブッ飛んでいるところがあるからこそ、格闘技のRIZINの舞台でパフォーマンスのオファーがきたりとかするんでしょうね。今まで自分が見ることができなかった景色も見せてもらったりしてますよ。

 

O 褒め合いみたいになっちゃったね(笑)。

 

M 照れますね(笑)。でも嬉しい限りです。サポートしてもらって、お互いWIN WINでやっていけたら良いですね。

 

 

O そう言えばMU-TON君が東京に来た理由って?

 

M 地元が凄く田舎なので、ちゃんとレコーディングできる場所とかないんですよ。好きな音楽を続けるためにも東京に出ようと決めましたね。HIPHOPは地元をレペゼンするカルチャーじゃないですか?自分が東京でカマして、地元をアゲるっていうことがしたい。なので、音楽で稼いで地元に音楽スタジオを作ったりしてみたいです。

 

O なるほどね!で、そもそも、どうして2人でアルバムを作る流れになったの?

 

r まずDJ JAMさんと俺が出会いまして。彼は無尽蔵にビートを作りまくっているんです。JAMさんはミックスとマスタリングまで全部できるし、スタジオも持っているってことで、俺がJAMさんのビートで曲を作っていたんですが、トリッキーな感じのトラックが多くて。

 

M 普段rkemishiさんが選ばないようなビートが多かったですよね。

 

r そうそう。で、俺はWネームのアルバムが作ってみたいなと思っていた時期で。当時YGMozzyWネームでアルバム出しましたよね。落合さんともあのアルバムの話で盛り上がったし。あのアルバムがヤバすぎて「Wネームのアルバムがやりたい!」的なモードになっちゃたんです。owls1MCだから無理だし、誰か探すか…って考えていたら、あ、MU-TONがいるなあって(笑)。

 

M YGMozzyのアルバムには俺も超食らって、rkemishiさんとも「あのアルバム、ヤバいですね」って良く話していたんですよ。で、JAMさんのビートにはめている状態のものを聴かせてもらった時に、rkemishiさんの乗せ方がちょっとだけMozzyっぽいなって思ったんです。じゃあ空いている部分に俺がYG役で入れるな、と(笑)。

 

O YGMozzyのアルバム『Kommunity Service』がキッカケになったんだね。

 

M フロウ的にYGはラップを詰め込むタイプで、Mozzyはケツで取って言葉数少なく間を活かしたりするタイプ。さっきも言ったんですが、rkemishiさんはJAMさんのビートでMozzy的な乗せ方をしていたんで、自分がYGぽいフロウで乗せたら面白そうなものができるな、と考えたんですよね。

 

 

r パズル的に考えたら、MU-TONが隙間にうま〜くはめてくれたんですよ。俺はある種教科書通りのラップで、ムートンは結構トリッキーっていうコンビネーション。制作途中で、こいつが流行りの病気になっちゃったりしたんですが、それでもコンスタントにスタジオ入って1ヶ月半で完成しましたからね。

 

O 1ヶ月半は早いね!

 

r あとJAMさんの仕事が良かったっていうのもありました。「MISSION」っていう曲が分かりやすいと思うんですが、音の抜き方とかヤバいなって。何も言わずにあの状態に仕上げてくれるのはアツいです。音と一緒にアカペラもミックスしているから、他の音源より良い感じに仕上がっていると思いますね。

 

O 2人的に『葉月』の仕上がりはどう?

 

r もちろんリリース後の反省点などはありますよ。ただ、短期間作ったアルバムとしては凄く良いパフォーマンスができたな、とは思います。

 

M 俺も好きな作品になりましたね。ただ、リリース前は色々考えちゃって

 

r 俺も今までにないトリッキーな作品だったから、不安がなかったと言ったら嘘になる。でも「俺らがやったらヤバい作品になるっしょ!」ってMU-TONJAMさんを押しましたね。

 

M その確固たる自信って大事なんだな、って今回改めて教えてもらった気がしますね。

 

O MU-TON君は作品も出しているけど、MCバトルに出続ける理由ってあるの?

 

M 紅さん(紅桜)とアルバムを作っている最中に紅さんが捕まっちゃったんですよ。その時の紅さんは結構な量のMCバトルに出る予定だったんです。「どうか俺の代わりに頼めんか?」って紅さんに言われて、それを引き受けた流れですね。ですけど、去年の最初の頃とかは結構適当にバトルをこなして。そのタイミングでさっきのrkemishiさんの自信の話とかを聞いて、俺はアーティスト失格だな、って反省したんです。MCバトルと言えど、お客さんが観てくれているんだからちゃんとしたパフォーマンスをしようと。そこからガチですね。あと、皆んな気付いていると思うんですが、ぶっちゃけMCバトルに出続けている人の中で、音源で余裕で食えてるMCって1人もいないんです。俺はMCバトルで名前が売れたっていうこともあるから、音源で余裕で食えているのにバトルにも出てる、っていう第一人者になってやろうって思っていますね。そうなることがバトルシーンへの還元になると思いますし。

 

r 今バトルに出ているMCたちはしくじった経験がない人たちが圧倒的に多いと思うんです。俺は死ぬほどしくじってきたし、MU-TONもそうだと思う。だから上を見るしかないんだ、っていう気持ちがバトルでも表現できているから、ゴマンといるバトルMCの中でも光って見えるんでしょうね。RYKEYさん、D.Oさん、漢さん、舐達麻とか今のシーンでカマしている人たちって、やっぱり生きてきた人生の中でしくじりがあったと思うんです。それを活かすと言うか、HIPHOPは身から出た錆を光らせる音楽だと俺は思っていますね。

 

後編に続く(3/1公開予定!)

 

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