OWN INTERVIEW CONTENTS Vol.20 横瀬裕貴(SUNDAYS BEST)

OWN INTERVIEW CONTENTS Vol.20 横瀬裕貴(SUNDAYS BEST)

市川純平(以下、I) では、まず自己紹介からお願いできればと思います。プロフィールなど伺えたらと。


横瀬裕貴(以下、Y) 横瀬裕貴と言います。SUNDAYS BESTというお店を上町でやっていますね。

OWN(以下、O) ……ちょっと、2人とも何か少し固くないですか(笑)?


I 改めてインタビューとなると、ちょっと恥ずかしいなと(笑)。まだ午前中だし。

Y 夜ビール飲みながらやった方が良かったんじゃないですかね(笑)。

O (笑)。ちなみに2人はどんなお付き合いですか?

Y 市川さんがWarp magazineにいた時から、何度もSUNDAYS BESTを誌面で取り上げてくれて。スニーカー特集とか、めちゃめちゃ大きく掲載してもらったり……。俺で良いんですか?くらいのサイズで(笑)。本当感謝していますね。

I しっかり話をしたのはWarp magazineで取材をさせてもらった時ですよね。話したことはなかったけど、新代田にあったスケートボードショップをやっていた頃からYOKさんの存在は知っていて。あとは当時の編集部にいた永嶋が新代田時代からお店にも通ってたみたいで。


Y 彼がラッパーをやってた時代ですね(笑)。今考えると共通の知り合いも多いし、しっかりと話す前から似たような場所で遊んだりしていたんだな、とは思います。

I そうそう。そんな感じです。では改めて、SUNDAYS BEST はどんなお店なんですか?

Y オリジナルの洋服と、アメリカで買い付けた雑貨や洋服を扱っているお店ですね。あと友達のブランドのものも置いてあります。オリジナルは徐々に増えてきましたね。

I スケートブランドのアイテムもありますよね。

Y 移店前の中目黒の時はデッキとかも置いてあったんですけど、こっち(上町)に移店してからはほぼないかもしれないです。DELUXE系は好きなので、キャップとか小物は少し置いてありますね。

I YOKさんは”お店”っていう形態が好きなイメージがあります。

Y そうですね、若い頃から仕事はお店だったんですよ。確かにお店が好きなのかもしれないです。高校生の頃から古着屋でアルバイトをしていましたし。34歳の頃にSUNDAYS BESTをやり始めたんですけど、でも、男って「お店を持ちたい!」みたいな気持ち何となくありますよね(笑)。

I YOKさんの周りもファッションに限らず飲食店とか床屋さんとかお店をやっている人が多いですよね。

Y 自分でお店やる前は下北沢のスポーツマリオっていう靴屋さんで働いていました。20歳ぐらいからずっとバイトしていて、そこでアメリカに買い付けとか行かせてもらったりしましたね。

I じゃあ海外買い付けとかの経験は以前からあったんだ。

Y そうですね。その頃はちょうどインターネットショッピングがスタートした時期で。楽天とかYahoo!とかが始まった頃です。スポーツマリオの社長は先見の目がある人で、ネットでの販売もいち早くやり出していたので、web販売の仕事もしていましたよ。全然わからないから自分で調べながらウェブデザインもやってホームページも作って。

I へー!YOKさんってなんかいろんなことが出来るイメージあるんですけど、その頃からなんですね。

Y いやあ、ホント見よう見真似で(笑)。でも凄く勉強にはなりましたね。で、当時僕はスケートボードをやっていたので、スケートシューズの仕入れをやりたいです、って言ったら、全然やらせてもらえなくて。でも、何となく仕入れや売り方も覚えられたし、これは自分でもできるな、と思って自分の好きなものを売るウェブストアをスタートさせちゃいましたね。

I それは何歳頃ですか?

Y 24歳くらいですかね。家賃安いとこを借りて、パソコン買ってスタートさせました。その後、事務所を持って、そこからずっとお店をやっていますね。

I YOKさんの面白いと思うところの一つに、お店はもちろん1人でやっているんだけど、その周りに仲間や友達との繋がりも見えるお店だな、っていう印象が凄くあって。お店は一人でやっているけど、コミュニティ感があると言うか。言葉にすると稚拙になってしまうんだけど……。簡単に言うと、凄く楽しそうな空気が流れているお店だな、って(笑)。

Y (笑)。そうですね。先輩はもちろん、古くからの友達とか年下の友達も個々にみんな何かやっているんです。ブランドもそうだし、飲食店だったり別のお店だったり。それは所謂クルーみたいなことではなく、何となく仲の良い友達っていう感じですね。SUNDAYS BESTにも置かせてもらったり。そういう繋がりですね。

I  SUNDAYS BEST周辺からは、自分が思う昔からの”格好良い東京っぽさ”を感じるんですよね。出入りしている人たちが肩肘張らず、柔らかく横に繋がっている感じとか。それこそ、前にSUNDAYS BESTでアルバイトしていたのがZOMBIE-CHANGだったのも面白いですよね。

Y 僕はヤマちゃんって呼んでいたんですけど、今や人気アーティストですもんね。出会いは新代田のスケートボードショップで、彼女はローラースケートを持ってお店に入って行って。その後に偶然お店に来てくれて。その流れで知り合いになって、定休日に「お店で音楽作っていて良いから」って言って働いてもらうことになりましたね。

I 何かそういうふうに遊んでいる中で自然と繋がっていくのが、個人的にも良いな、って思うところですね。普通の事だとは思うんだけど、とにかく全ての流れが自然体だなって。

Y そう言ってもらえると嬉しいですね。でも、さっきの話に繋がるんですけど、あくまで個々というか、クルーみたいにはしないようにしていますね。

I それは意識的にですか?

Y そうですね、最近は特に。さっき話したスケートショップの時、友達と2人でやっていたんですよ。でもやっていくうちに、アイデアが半分になるのが嫌になってきてしまって。どうしてもお互い譲り合ったりとかすることも増えて、なかなか自分の100%を出せない。もちろん新しいアイデアや、相乗効果が生まれることもあると思います。でも僕の場合はそれがあまりなくて。なので、一人でお店をやるのが自分の性に合っているのかな、って。

I なるほど。全部自分で決めたら言い訳もできないですしね。

Y そこが結構大事なポイントですよね。


I では、SUNDAYS BESTにおいて大切にしていることがあったら教えて欲しいです。

Y オープン当初から、“敷居の低さ”みたいなの事は凄く意識していますね。スケートショップとかって、基本的に敷居が高いですよね。それが良い悪いとかの話ではなくて、自分がお店をやるなら色んな人が入りやすく感じるお店にしたいな、とは考えていましたね。あ、あと、あんまりマニアックにしないこと。マニアックの定義って色々あると思うんですが、その線引きは大切にしているかもしれないです。

I そうそう、SUNDAYS BESTは日用雑貨も多く取り扱っていて面白いですね。そういう雑貨モノとも洋服がミックスされている。

Y そうですね。洋服もでも、ストアブランドみたいな位置付けでやっていけたらと思いますね。なるべく安くしたい。だから、ある程度の品質で価格を抑えるようにして、自分が着たい洋服を作ったりしていますね。

I 作っている洋服は、基本的にはYOKさん自身の普段着に近いイメージってことですか?

Y そうですね。基本的にはお気に入りの古着がサンプルですかね。それらのココをこうしたい、ああしたいって考えて制作している感じです。定番で出しているデニムとかも、ヴィンテージとか岡山デニム的なものではなくて、アメリカのストアブランドでありそう仕上がりを目指して作ったりして。

I このデニムのちょっと毛羽立つ感じとかも、昔インポートショップで売っていたような仕上がりですよね。

Y そうですね、そのノリです。洋服も日用品みたいな。

I 自分もSUNDAYS BESTのデニムは超気に入って穿いてます。

Y ありがとうございます!グラフィックよりサイズ感を大事にしていますね。着丈とかレングスの短さ、アームホールの太さとか。自分も30過ぎたくらいから好きな格好も固まってきたから、そのテイストを出していければと思っていますね。

I アパレルに関して、何か新しいことをしようと言うよりも、定番化させたいと思っている感じですかね?

Y そうですね。でもそれは結構悩むところでもあって。皆んな毎年新しい企画とかコレクションを立ち上げるじゃないですか。見ていて良いな、凄いなっ、て思うんです。でも恐らく自分は決められた流れをやることに向いてない性格なんですよね。洋服とかも、気に入ったものができれば、それの色違いとか素材違いが好きだったりするから。

I ずっと同じアイテムを定番として置き続けるお店とかブランドも減りましたもんね。

Y ですよね。変わり映えしないと言われればそれまでなんですが、そういうお店があっても良いかなって。まあこの年齢になると好きな格好もあんまり変わらないですしね(笑)。


I 確かにそうですね(笑)。あと、SUNDAYS BESTのスタンスもそうですが、YOKさんからは音楽カルチャーの背景も感じます。

Y 音楽は好きですね。でもまあ皆んなと同じで中3くらいでブルーハーツを聴いて。その後GREEN DAYとかがリアルタイムでドンズバ世代でしたね。当時僕は千葉県の柏市に住んでいて、ハードコアバンドのNUNCHAKUは同じ柏の先輩方でした。高校生になってからは友達に誘われてハードコアのライブに通うようになったり。初めてライブハウスに行ったのはKARAMAWARIって言うファストコアバンドとニュースクールバンドとNUNCHAKUが出ていた企画です。フロアは地獄絵図のようにぐっちゃぐちゃで衝撃的でしたよ(笑)。それから高校2年くらいから新宿のレコード屋に行くようになったり。でも当時は音楽の守備範囲は狭いですね。パンクやハードコアばかりで。

I お店にもDischord Recordsのマーチャンダイズがあったりしますもんね。

Y そうですね。でもパンクとかハードコアに関しては、好きすぎて逆にあんまりお店に置けないっていうのがありますね。何て言うんだろう……個人的にも大切にしておきたいから、あんまり表に出さないものというか。あと、音楽に関して言うと、下高井戸のTRASMUNDOとの出会いも自分にとっては大きいですね。

O OWNでTRASMUNDOの浜崎さんにインタビューさせて頂いた時、一番古い常連は横瀬だよ、って言っていましたね。

Y そうなんですよ。約20年前になるのかな。その頃僕は明大前に住んでいて。僕はもうバンドはやっていなかったんですが、音楽仲間が下高井戸に住んでいて。昔、下高井戸にもう一軒レコード屋さんがあって、そこに向かって友達と歩いていたら、Charles Bronsonの『Youth Attack!』のLPが置いてあるお店が見えて、おぉ!と思ってあの階段を登って行ったら、それがまだ開店準備している状態のTRASMUNDOでした。で、オープンした初日に行ったら、浜さんが凄く良くしてくれたのを覚えていますね。

I 本当に一番最初に行ったお客さんだったんですね。

Y そうなんですよ。途中、行かなくなった時期もあったりはするんですが。TRASMUNDOに行くと、自分が知らない新しい音楽やカルチャーに触れるをことができますよね。浜さんにチカーノソウルを勧められて、久々にパンクとかハードコア以外でドハマりしました。元々アメリカンカルチャーが好きだし、アメリカに住んでいるメキシコ人も好きで(笑)。


I YOKさんの趣味嗜好にマッチしたんですね。

Y そうです。あと、単純に音楽として曲が凄く良いですよね。聴いているだけで良いなあ、としみじみ思えると言うか。チカーノソウルを聴いてから、レゲエも聴いてみよう、とか少しづつ広がっていった感じです。

I なるほど。ちなみにOWNのことは知ってました?

Y 知っていましたよ。佐賀のMOBILE SPOTに置いてあるのも知っていましたし。

I 自分もですけどYOKさんも眼鏡キャラですよね。眼鏡自体は好きですか?

Y 単純に視力が良くないし、僕はコンタクトレンズをしないんで眼鏡は愛用していますね。コンタクトレンズはいまだに恐怖です。自分の眼球を触るのとか絶対に無理ですね。多分失神する(笑)。あと、自分が眼鏡を掛けているっていうこともあって、バンドで眼鏡掛けているメンバーとか気になりますよね。

I 分かるなあ、それ(笑)。スケーターとかも。

Y そうそう!アイツちょっとダサくて良いな、とか(笑)。個人的にはもう8年くらいOliver Peoplesの眼鏡を愛用しているんですが、もう生産されなくなってしまったモデルですね。これの眼鏡のコレジャなきゃダメ!とかは特にないんですが、何だかんだで眼鏡は13,4個持っています。

I 今回、OWNの#07のクリアフレームのモデルをチョイスしていましたが、どんなところが気に入りました?

Y 元々色が濃いフレームがあまり好みじゃないんですよね。肌の色に近いカラーが好きで。これが1番馴染むかな、って思ったんですよね。パイロットグラスタイプなんだけど、少し今っぽく変えてある。フレームのシルエットも良いですね。

O ありがとうございます!嬉しいですね。

I OWNの眼鏡はスタンダードなんだけど、少しエッセンスが加えられてオリジナリティがあるところが良いよね。変に格好付け過ぎずなとこ。では、最後に何かYOKさんから何かインフォメーション等ありましたらお願いします。

Y 中目黒から世田谷の上町に移転して、まだまだ日が浅いので、お店に来てもらえたら嬉しいです!

 

INFO

SUNDAYS BEST

154-0017

東京都世田谷区世田谷2-29-5

TEL:03-6772-3988

http://www.thesundaysbest.com/

Instagram @sundaysbest_yok

 

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