OWN INTERVIEW CONTENTS Vol.23 KEMMY3000(DMB PRODUCTION / DREADEYE)

OWN INTERVIEW CONTENTS Vol.23 KEMMY3000(DMB PRODUCTION / DREADEYE)

OWN(以下、O) ずっとKEMMYさんにインタビューしたかったんですよ。でも、最近色々なメディアでKEMMYさんのインタビューラッシュがあったので……。


KEMMY(以下、K) たまたまタイミングが重なっただけですって(笑)。

O (笑)。なので、OWNのインタビューコンテンツでは少し違った角度というか、一番ド正面からのインタビューにしたいな、と。なので、今回は"バンドマン/ギタリスト"としてのKEMMYさんにインタビューさせて頂ければと!

K 自分的には一番苦手な部分なんですけど……。大丈夫ですかね(笑)。

O いやいや(笑)。では、まずはご自身のプロフィールをお願いします!

K KEMMY3000です。DREADEYEというバンドをやってまして、ギターを担当しています。DREADEYEは"POWER VIOLENCE"であることを打ち出しているバンドですね。誰もPOWER VIOLENCEという言葉を言わなくなった頃から言い続けていたのに、近年の流行りには乗れなかったという……。

O (笑)。あ、あとDMBの紹介もして頂きたいです。

K あっ、そうでした(笑)。DMB PRODUCTIONというレーベルもやっています。音源のリリースだけではなくて、イベントやポップアップをやったり、 Tシャツを作ったりしていますね。

O 海外バンドも日本に呼んでいましたよね。

K IRON LUNGは日本ツアーもやりましたね。他にもTHE SHRINEやFALL SILENTの来日公演の一部手伝ったり。HIPHOPだとBUN BとLe$も。でも、コロナ禍でライブができなくなったっていうのもありますけど、別に自分がやらなくても良いんじゃないかな?と思い始めてしまって(笑)。近年はあんまりやれていないですね。

O では、バンドをスタートする以前に、ギターという楽器を選んだキッカケあたりからお話しを聞かせて下さい。

K 全然覚えてないんですが、何となく中学の頃から洋楽を聴き始めたんですよ。それでエリック・クラプトンの来日公演とかを友達と観に行ったり。それがキッカケっていうワケではないと思うんですが、やっぱりクラプトンってギターヒーローじゃないですか。だからギターが欲しいな、と思い始めて手に入れたのかもしれないですね。

O 最初はどんなギターを入手しましたか?

K 最初はやっぱりフェルナンデスですよ。エントリーモデルで赤黒の木目が毒々しいやつでした(笑)。アンプセットで5万円くらいだったかなあ。

O なるほど。そこからKEMMY少年のギターライフはどんな感じでしたか?

K 当時から僕は雑誌が好きで。なので、ギターを始めたらもう『Guitar magazine』と『YOUNG GUITAR』を読みまくるワケですよ(笑)。

O 『Player』とか(笑)。

K そうですそうです(笑)。ひたすら買っていましたねえ。

O そういった類の雑誌って、紙面内にTAB譜が掲載されていますが、読みながら練習もしていましたか?

K それが全然しないんですよ。ひたすら買って読んでいるだけ(笑)。初心者用の教本も持っていたんですが、コードが全然覚えられなくて。だんだん面倒臭くなって、単音弾きこそメタルだ!とかワケのわからないことを思っていましたねえ。

O 当時のKEMMYさんにとってのヒーローは誰でしたか?

K 完全にMETALLICAですね。当時『Reload』っていうアルバムがリリースされた時期で、横浜アリーナにライブも観に行きましたね。ライブ自体ももちろん良かったんですが、客席で旗とか燃やしてる人たちがいて(笑)。

O へー!そんな過激な感じだったんですね!

K そういうこともあって、結構食らっちゃいましたね。METALLICAにはフーリガンがいる!ヤバイ!って。

O METALLICAにハマってからは、所謂スラッシュメタル4天王とかも聴いたり?

K それが他のスラッシュメタルにはあんまりピンと来なくて。今でもMETALLICA以外そんなに好きじゃないんです。最初にハマったMETALLICAの『Reload』には少しプログレッシブな要素があったり、何となく壮大な楽曲が収録されていたり。そういった部分が自分的にツボだったのかな、って今考えると思いますね。

O バンドはその頃から組んでいましたか?

K 高1の時の同じクラスに音楽好きな友達がいて。その友達はブランキー(BLANKEY JET CITY)とか、ミッシェル(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)とか日本のロックが好きで。その友達と、あともう1人仲良い友達がいたんで、ドラムがいないままスタジオに入ったり。全然バンドになってないんですけど、真似事的なことはやっていましたね。各々の好きな曲を持ち寄って練習していました。

O ブランキーとMETALLICAのミクスチャー(笑)。

K 「ガソリンの揺れかた」とか練習してましたよ(笑)。ちょうどその時期ってKoЯnとかラウドなミクスチャー系が流行り出した頃で、自分はそういった激しめな方が好きになって行きましたね。確かTV神奈川でCOCOBATとかTHE MAD CAPSULE MARKETSのライブ映像が流れていて、日本にもこんな激しいバンドがいるんだ!と。その頃からライブハウスにも行き出して。高校の卒業式の日にはTHE MAD CAPSULE MARKETSのアルバムリリースツアーで、COCOBATとBALZACの3マンがZepp Tokyoであったので行きました。そこで学ランを投げ捨てましたね(笑)。

O 青春の1ページですねえ(笑)。

K メガフォース全盛の時期で、鉄拳、マイナーリーグとか聴いていましたね。他にもSTATE CRAFTとかも恵比寿みるくのオールナイトイベントで観ましたし。そういった流れでニューヨークハードコアとかニュースクールハードコアにハマっていきましたね。

O その頃はギター弾いてましたか?

K 高校の後半になってアルバイトしたお金を貯めてGibsonのフライングVを買いました。METALLICAのジェイムズと同じホワイトのやつです(笑)。

O METALLICA愛(笑)。そこからバンド活動をスタートさせたんですか?

K 大学卒業の前後くらいからSTRUGGLE FOR PRIDEを観に行き出して、今里さんにOS3(DREADEYE Vo)を紹介してもらったんです。それからOS3とよく遊んでいました。ある日、井の頭線のホームで2人で電車を待っていた時に、ギターを背負った男の子が可愛い女の子と歩いていて。それを眺めていて、バンドやったらモテるかな?って僕が聞いたら、OS3がDREADEYEに入る?って言ってくれたので加入しました。モテたくてPOWER VIOLENCEバンドに入ったのは完全にミスでしたが(笑)。

DREADEYE bandcamp


O (笑)。DREADEYEに加入して、KEMMYさん的にはどんなスタンスで活動しようと考えましたか?

K いや、そんな深く考えたことなくて。あくまで友達と集まるのが楽しいからっていう。だから自分はバンドマンだ、っていう意識がかなり薄いかもしれないですね。

O なるほど。ではギタリスト的にはどうですか?無理やりな質問ですみません(笑)。

K 大丈夫です(笑)。DREADEYEに加入した時に、既にもう1人ギターのメンバーがいたので、違うことをやろう、という意識はありましたね。ジェイムズへの憧れはあるので、ソロ的なフレーズも他にはないようなものになるように。

O では、機材面の話も聞かせてもらえたらと。

K まずはDREADEYEでメインギターとして使っている、GibsonのLes Paul Custom。カスタムショップ製ランディ・ローズモデルです。

O KEMMYさんと言えばこの白Customのイメージありますね。改造点なども教えて下さい。

K ピックアップをLACEというメーカーに変えてありますね。LACEはINTEGRITYをサポートしていたメーカーで、そういった点にもグッときて選びました。ディストーションを乗せると結構ヘヴィに鳴ってくれます。見た目もアクティブっぽけど実はパッシブっていうところも気に入っていますね。その他外見はイジってなくて、コンデンサーを60年代のBumble Beeに変えていますね。

O ノーマルの頃から比べると、音はだいぶ変わりましたか?

K やっぱり変わりましたね。音の芯が出るというか、がっつり歪ませてもちゃんとギターの音として成り立ってくれている感じがします。

O この白Customをメインにしている理由などありますか?

K 重い音を出したいなら重いギターだろう、ということでお店で1番重いやつ買ったんすよ。重いギターは重たい音が出るっていう迷信を信じ切っていますから(笑)。チューニング2音下げで使っているんですが、思った通りのヘヴィな音が出てくれますね。隣のSGと比べるとボディの厚みも倍くらいある。超重いし、しかもネックが凄く太くて。DREADEYEのライブって大体10分くらいで終わるんですが、終わる頃には手が開かないくらい疲れます。

O 次がGibson SGですかね。こちらは何年くらいのモデルですか?

K 確か2007、8年とかのレギュラーラインですね。自分がBREAKfASTに加入してから使っていたものです。BREAKfASTに加入した当初は、前任ギタリストの酒井君の爽快感もありつつ歪んだギターの音のイメージがあったのでLes Paul Jrを使っていたんですよ。でもピックアップがP-90だったせいか、ハウリングが半端じゃなくて。あとピッキングのニュアンスがとても伝わりやすいギターだったので、下手なのがバレる(笑)。BREAKfASTのアメリカツアーは何とかそのギターでこなしたんですが、音的にももう少し厚みが欲しくてこのSGにしましたね。あ、ちなみにそのLes Paul Jrはケイスケ君(CHARM/ex.BREAKfAST)に貸したままです(笑)。

O こちらも改造点などありましたら教えて下さい。

K このSGもコンデンサーを60年代のBumble Beeに変えています。あと、リアピックアップですが、元々Fender Japanのストラトに付いていたものを移植しています。もちろんハムバッカーピックアップですし、ストラトの音が出るようになるワケではないんですが、粒立ちの良い音になった気がします。

O フロントピックアップはノーマルのままで?

K そうですね。フロントは一切使っていないので。白のLes Paul Customは両方とも変えてますが、使っているのはリアだけですね。

O では3本目はGibson Explorerですかね。

K このExplorerはSTRUGGLE FOR PRIDEのギタリスト、グッチンさんからの借り物ですね。先ほど話した、高校時代から使っていた白のフライングVなんですが、京都でDREADEYEのライブをやった時にテキーラを飲みすぎて調子に乗っちゃってギターを投げて壊しちゃったんですよ。その時は酔っ払ってるし、何も考えてなかったんですが、あ!この後の決まってるライブどうしよう!と困っていたら、グッチンさんが貸してくれました。借り物なのにボリュームとトーンのコントロールノブを外しちゃったりリアピックアップもディストーション系に変えてしまったり……。

O ……所謂借りパクってやつですか?

K いやっ!違います!借りてるだけです(笑)!このギターは結構ライブでも使わせてもらって。一番最初の7インチレコード(『THIS IS FOR THE NEWBREED EP』)を出す頃だから2006,7年頃頻繁に使用していました。

O では、ベタな質問なのですが今のKEMMYさんのに影響を受けたギタリストとかっていますか?その……ジェイムズ・ヘットフィールドとかランディ・ローズではなく(笑)。

K (笑)。プレイスタイルでの影響ではないんですが、やっぱりSTRUGGLE FOR PRIDEのグッチンさん。音自体も物凄いんですが、感情が凄く表れているギターの音で唯一無二だな、って思います。ブッチャーズ(bloodthirsty butchers)の吉村さんもそうなんですが、グッチンさんのギターの音も凄くエモーショナルだな、と毎回思わされますね。あんなふうに弾けないですもん。

O 何かグッチンさんとのギターエピソードなどあったりしますか?

K いつだったかグッチンさんと話ている時に、パワーコードを弾く時は人差し指と薬指で弾くのがパンクだ、と言っていましたね。やっぱり僕みたいなMETALLICAファンは人差し指と小指でパワーコードを弾きがちなんですよ。でもそれはメタルの弾き方だから、パンクは人差し指と薬指で、と言っていたのが凄く印象的です。それから僕も人差し指と薬指でパワーコードを弾くようになりましたね。でも薬指を使う方がより握力を必要とするのでめちゃくちゃ疲れるんですが(笑)。

O ネック太いんですもんね(笑)。他にも影響を受けた方はいますか?

K ランディ内田さん!GISMももちろん最高なんですが、R.U.G. (Randy Uchida Group)も。あの人のギターも真似できないですよね。ミスピッキングまで魅力的です。

O では、今やっているDMB PRODUCTIONの活動やUSのギャングスタラップに関する活動って、ご自身のバンド/ギタリストとしての活動とリンクしていたり、接点はあったりしますか?

K うーん、それぞれの活動自体は繋がっていないように見えるかもしれないんですが、そもそもDREADEYEでの活動で知り合ったり紹介して頂いた人たちと仲良くなっていく中でやり始めた事ばかりで。自分でZINEなどは作っていましたけど。ギャングスタラップに関しても、町田にⅡTIGHT MUSICがオープンして、近かったから通っていたのがキッカケだし、『GANGSTA LUV』を作っていたのも同級生のお父さんだったりとか。だから音楽が好きで、人と繋がっていく中で色々な活動ができているっていう感じなんですよ。友達に恵まれただけというか。

O 個人的にはKEMMYさんのZINEでの文章や写真が好きで、OWN LOOK BOOK Vol.3に寄稿して頂きました。どうもありがとうございました。

K いえ、こちらこそありがとうございました。アイウェアのブランドでインタビューコンテンツとかLOOK BOOKとかを作っているブランドって他にはないですよね?凄くユニークな展開で面白いな、と思って見ていました。

O KEMMYさんはOWNの#09のBLUE×CLEAR/CLEAR GREYを愛用して頂いていますね。普段使ってみてどうでしょうか?

K 言葉が乏しくて申し訳ないんですが、凄く格好良くできているなあ、と思いますね。この#09に関して言えば、このツートーンの色が綺麗です。ミッドナイトブルーみたいな青の配色も好みです。ブルーは僕のテーマカラーとまでは言わないんですが、自分の乗っている自転車もこのカラーですし、BOUNTY HUNTERとDMBのコラボで出したスケッチモンスターのフィギュアもこのカラーでした。単に好きなんです(笑)。

O ありがとうございます!では、最後にインフォメーション等ありましたら。

K 9/29、30の2日間、東北沢にあるadanで、友達のBROWNBAGと一緒にポップアップをやります。あと、OWNのディーラーでもある佐賀県のセレクトショップ、MOBILE SPOTで世田谷のセレクトショップ16(Sixteen)と合同ポップアップを開催します。日程は10/14、15の2日間で限定アイテムもあるので是非来てもらえたら嬉しいです。


O ちなみにバンドの方はどうですか?

K 11月18日にELMOの企画でDREADEYEの今年最後のライブがあります。今年のライブは2回でした(笑)。あとは来年DREADEYEで新しいアルバムを出したいです!コロナ禍でライブができなかったので、新曲を作ろうと考えていたのに、結局1曲も作れなかったので……。これから頑張っていこうかと思っています(笑)。

【INFO】

instagram @dmbproduction514

web store https://dmbproduction.stores.jp/

 

 

ブログに戻る